お知らせ
2014/07/01
技術情報
Ciatec Information
2014年7月 No.094
■No.94 「港湾・海岸施設の液状化変形解析(FLIP)への取組みの紹介」
お取引先様 各位
港湾・海岸施設の液状化変形解析(FLIP)への取組みの紹介
皆様におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申しあげます。
日頃は格別のご愛顧を賜り、ありがたく厚く御礼申しあげます。
近年、東日本大震災の発生や南海トラフ巨大地震への対応などで、岸壁や護岸など港湾・海岸施設の耐震化対策においてより精度の高い解析にもとづく対応が求められています。
すなわち、既存の施設が地震後もすぐに使用できる状態にあるのか、地震後の津波などから人命や土地を守る機能が残っているかを“施設の変形量”によって確認したうえで、耐震化対策を講じる必要があります。

今回ご紹介するFLIP(Finite element analysis program for Liquefaction Process)は、旧運輸省港湾技術研究所で開発されたプログラムであり、地震波形と地盤条件を入力することで、液状化の影響を含んだ地盤と構造物の変形(動的)解析を行うことができます。
具体的には、FLIPにより、次のことが可能です。(FLIPの詳細は、銅通信Vol.13をご覧ください)
- 液状化予測の精度向上 :
液状化する・しないから、どの程度・どの範囲に発生するかを予測。
「ボーリング毎の『点』の予測から『(断)面』での予測へ」 - 合理的な液状化対策 : 液状化程度・液状化範囲に応じた合理的な液状化対策の実施
- 性能設計への対応 : 変形量による地震後の施設機能の評価
【解析例】 下図は、海岸堤防の解析例です。地震により、堤防下の地盤が液状化し(左図:赤色部)、堤防が沈下しながら海側に移動していることが分かります(右図)。

FLIPは、港湾・海岸施設以外にも各種基礎構造物(直接基礎・杭基礎)にもその解析手法を適用することができます。弊社では、FLIPをはじめとする各種手法を駆使し、耐震対策に取り組んでまいりますので、お取引先各位におかれましては、ご遠慮なくご相談いただきますよう、よろしくお願い申しあげます。
※PDFファイルが別ウインドウで開きます。