2020/01/01

実績紹介

Ciatec Information

2020年1月 No.125

  • SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう

■No.125 「愛媛県 林業研究センターCLT(Cross Laminated Timber)研究棟新築工事」

お取引先様 各位
シアテック設計・監理実績のご案内
『愛媛県 林業研究センターCLT(Cross Laminated Timber)研究棟新築工事

皆様におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。日頃は格別のご愛顧を賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。

今回は弊社の設計・監理により2019年8月に竣工しました『林業研究センターCLT研究棟新築工事』についてご紹介させていただきます。

【背景】

今後の木材需要の拡大政策として、CLT(裏面参照)が新たな建築資材として注目されています。CLTを構造材に用いる場合には、CLTが設計強度を担保出来ることが必要であることから、各種強度データの蓄積が求められています。

【目的】

愛媛県林業研究センター内に大型木造部材の強度試験等により、データ収集を行う施設として、本CLT研究棟が建設されました。

【設計コンセプト】

  • 緑豊かな山並みなど周辺環境との調和に配慮
  • 豊富な森林資源の活用を考えた積極的な木材利用(県産材)

【設計上のポイント】

  • 外内装に木材を利用することで、自然材料を用いた温もりを演出
  • 内壁の一部の仕上げや、庇の軒裏材・館銘板・作業台に、愛媛県内の工場で製作・加工されたCLTを利用

施設概要

建設場所愛媛県上浮穴郡久万高原町
構造規模鉄骨造平屋建て
用 途実験室
延床面積198.00㎡
建築面積228.00㎡

弊社は木材の積極利用を通じて、快適な空間づくりや断熱性等の建物機能向上、さらにはCO2の排出抑制や森林の適切な整備にも貢献します。

今後とも最適な技術とこれまでに蓄積したノウハウの活用により、誠意をもってお客様の想いを形にするお手伝いを行ってまいります。

【 愛媛県 林業研究センターCLT研究棟新築工事 補足資料 】

林業研究センターについて

愛媛県林業研究センターは久万高原町の中央部に位置する施設です。森林の多面的機能を持続させながら、県産材の安定供給と需要拡大を図るために、再造林や更新、県産材の品質向上・競争力強化に向けて試験研究が進めてられています。
(愛媛県庁HPより引用)

建物外観

外壁仕上材には県産材である杉の羽目板を使用しており、山の緑や周囲の既設建物にも馴染むように、茶色をベースとした塗料で着色しています。

CLT活用部分

庇軒裏や館銘板には厚み90mmのCLTパネル、内壁仕上材には、36mmの薄型のCLTパネルを使用しています。CLT使用部分は、CLTの素地を楽しめるように透明塗料で仕上げました。

CLT(Cross Laminated Timber)について 

CLTとは、ひき板を並べた後、繊維方向が直交するように積層接着した厚型パネルのことを言います。
工場製作品なので、現場での施工が少なくなり、工期短縮にも繋がります。また、同じ大きさのプレキャストコンクリート板に比べて軽量なので、耐震性にも有利に働きます。
(日本CLT協会より引用 )

雪対策について

久万高原町は冬季に雪が積もることも多いため、適切な屋根勾配を確保し、屋根に積もった雪が一度に落ちてしまわないように、雪止め金具を設置しました。また、施設の給水管には凍結防止対策(不凍水抜栓を設置)を施しました。

※PDFファイルが別ウインドウで開きます。