お知らせ
2020/06/01
技術情報
Ciatec Information
2020年6月 No.126
■No.126 「3Dレーザースキャナを用いた既設橋梁のモデル化」
お取引先様 各位
シアテック調査・設計実績のご案内
『3Dレーザースキャナを用いた既設橋梁のモデル化』
皆様におかれましては、ますますご発展のこととお喜び申し上げます。日頃は、格別のご愛顧を賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。
今回は、弊社が実施いたしました、地上型3Dレーザースキャナを活用した既設橋梁の3Dモデル化事例を紹介いたします。
諸 元 表
| 橋梁名 | 流田川橋(愛媛県八幡浜市) |
| 幅 員 | 9.2m |
| 橋 長 | 19.9m |
| 橋 種 | 合成鈑桁橋 |
| 平面線形 | 曲線橋 |
| 勾 配 | 横断6% 縦断6% |
橋梁補修調査・設計を行う橋梁には、必要図面が残っていない事例もあり、簡易計測により、必要な図面を復元しています。
今回、業務を実施した橋梁も、詳細な資料が残っておらず図面復元が必要となりましたが、計測に長時間を要す条件(鋼橋、曲線橋、部材が多い、横断・縦断勾配がある等)の橋梁であり、且つ桁下高が高く橋梁点検車等の高所作業に対する補助設備が必要でした。このため、調査・図面作成を3Dレーザースキャナ・解析ソフト・3DCADを用いた手法【下図(作業の流れ:新技術)参照】で実施いたしました。当該成果品は、業務に必要、且つ十分な情報を有した図面であり、その後の補修調査、設計時において十分活用できるものとなりました。

弊社は、今後とも構造物の補修調査・設計において顧客のニーズに応えるべく新規技術を積極的に活用、提案し、安全・安心な「住み続けられるまちづくり」の実現に貢献してまいります。
3Dレーザースキャナーとは
概要
遠く離れた位置から、高精度な3D座標(X,Y,Zの座標)、カラー情報(R,G,B)を持つ点データを瞬時に計測可能な測量機器。短時間に面的な3次元点群データ(大量の点データの集合体)の取得が可能。概ね1秒間に数千~数十万発のレーザーを発射する。計測できない箇所や精度を上昇させるには、別の場所から計測し、データを合成し補完を行う。
原理
測量対象物にレーザーを照射して物体に反射して戻ってくるまでの時間を計測し、距離に換算。レーザーの計画ピッチ角と距離によりX,Y,Z座標を算出。

3Dレーザースキャナ計測模式図
特徴
メリット
- 離れた場所から計測が可能(機種により300m離れた場所から計測可能)
- 立入りが危険な箇所から計測を実施する必要がなく、安全な箇所から計測が可能
- 現場作業の大幅削減が可能 (コストダウン)
- 計測漏れがなく、再測が発生しない
- 複雑な形状の測定が可能
- 地上型、ドローン搭載型など用途に応じて様々な位置から計測が可能
- 3Dデータであるため、自由位置での断面図作成(3次元モデリング作成などへの活用が可能)
デメリット
- 見える範囲のデータのみ計測(木や障害物がある場合、撤去か、複数個所から計測する必要有)
- 黒色、ガラス、鏡面、水面等はレーザーの性質上、正常に反射しないためデータ取得不可
- 点群データは、データ量が多く、データの合成、ノイズ・トリミング処理等にスペックの高いPCが必要
- 薄い部材や、小径の穴、角など完全には計測不可
- CADデータとして利用するには、変換が必要
- 屋外作業時は、雨等の天候の影響を受ける
- 計測地点が遠ければ遠いほど、現地の再現性は低下
活用分野
- 橋梁、高架橋等の一般図作成
- 既設建屋、プラント設備の現況3D図面作成
- 斜面、法面などの現況測量、災害時の被災状況測量
- 道路、堤防等の沈下、変位計測(面的データによる把握)
- 3Dデータからの土量、埋立量等の算出
- 遺跡、歴史的構造物の現況調査、デジタルデータ保存
※PDFファイルが別ウインドウで開きます。
